稜矢くんと菜桜はテレビを見て
ゲラゲラ笑っていて


「 私 タコ切るね 」

ヌルヌルするタコは割と時間がかかる


キャベツをすぐに切り終えた平石が隣に来て

「 髪 邪魔じゃない? 」

って聞く。
下を向くと肩をすり抜けて落ちてくる髪の毛


さっきから思ってたけど
タコを触っているから結べないわけで、

「 … 邪魔、、、ッ ヒャ、、何? 」

「 俺が結んであげる 」


って 髪の毛を集める平石の手が首元に触れて
私はくすぐったくて変な声が出た



「 輪ゴムでいい? 」


「 髪下ろしてるのがいいんだけどね 」

って言いながら手際よく私の髪を輪ゴムで一つにまとめる。
 

いつもはポニーテールをしていて、

だけど この前も平石が

『 髪、下ろして来ないの?』

って 学校で言うから 今日は特別だった。



「 … なに? 」

私がタコを切る間、横でずっと見てくるから
気になって仕方ない


「 ううん?」

「 向こう行っててよ 」


私は 照れ隠しでそう言うと

「 …はいはい 」

「 …ッ 、」


って 頭をポンポンと撫でて
菜桜と稜矢くんのとこへ行ってしまった。



少し寂しいと思ってしまう私はバカだ。