「 … ごめんね 勝手に 」
って 松木は申し訳なさそうな顔で言うけど、
俺は 「 あぁ。」と無愛想に答えることしかできない。
久々で何となく気まずい松木との会話。
髪の毛をおろして 毛先を緩く巻き、
シースルー袖の黒ブラウスに
ジーンズで合わせている
俺の家までは駅前からバスに乗って15分程、
バスが到着して入ると
「 俺、菜桜ちゃんと乗ろう〜 」
って、前の方の席に行ってしまうから
「 こっち 」
「 わっ 危ない 」
松木の手を引っ張り、
後ろから2番目の席へ連れて行き
俺は隣に腰掛ける。
思った以上に狭い2人掛けの席は
ピタッと腕が密着していて、
何かを喋るわけではないけど
松木の体温を感じている。
それが何となく心地よくて、
俺は 隣に座る松木の顔をチラッと見た。
