クールな彼の甘苦い罠






それからも、
少しだけ話す関係にはなりつつ


平石を目の前に素直に話せない私は
いつも強がって 可愛げのない返事をしてしまう。





キーンコーン カーンコーン



昼休みを知らすチャイムが鳴り、授業が終わる。


「 菜桜ちゃんと4人で昼食べよーって 」


って、授業の終わりと同時に稜矢くんが来て言う。


「 どこで食べる? 」


私は稜矢くんに聞くと

「 食堂!菜桜ちゃんが席取り行った!
 と言うわけで 俺もお先に〜 」


って、稜矢くんはニヤニヤしながら
すぐに教室を出て行ってしまった。



「 あいつ 勝手かよ 」


教科書を片付けながら 平石は呟く。


2人が先に行ったのは
きっと 菜桜と稜矢くんの策略だろう。