だが、その気持ちはすぐにしぼんでしまった。むしろ縮こまってしまった。なんとそこには

－眉間にこれでもかとしわを寄せた男が2人立っていた。
1人は40歳くらいの背の高い男だった。黒いシャツから見える首もとには、何やら刺青のようなものが見える…のは気のせいだろうか。
もう1人は、これまた背の高い男だった。同い年ぐらいだろうか。両耳にはとんでもない量のピアスがついている。

－菜々実は震えた。これ以上にないくらい震えた。だか、震えている暇はない。
菜)「あ、あの…。うちに何かご用ですか…？」
父)「ん？ああ、ここの家の方ですか？」
菜)「そうです…けど…。」
父)「隣に引っ越して来た藤原と申します。」
菜)「え？あ、ああ！ちょっと待って下さい。」
ビビって損したと、心の底から思った。
急いで兄を呼ぶ。