SP警護と強気な華【完】


すでに深夜に近い時間
カトレアが柊を呼び出した先は、祖父の部屋。

「やっぱこの部屋に手掛かりがあるのか?」

「…はい。
 誰も気づかなくて見つけられなかったけど
 実はすごく身近にお金はあったんです」

言いながらカトレアは室内へと足を進め
祖父の使っていたデスクを動かそうと手を伸ばす。
それにピンと来た柊が手を貸して押し進めると
カトレアが敷かれていた絨毯を捲った。

「「見つけた!」」

目を見合わせ
思わずハモる。

パッと見るとわかりづらかったが
注意してみると
人が1人、入れるくらいの大きさで
まるで床下物入れのようになっている。

「灯台もと暗し…
 地下は考えなかったな」

「行ってみる」

「は?今からか?」

勇気あるカトレアの行動とは逆に
若干、腰が引ける柊。
朝までは待たないようだ。

地下へと続く階段を降りると
四畳くらいの部屋になっており
《《それ》》はすぐに見つかった。

「デカイな…」

「いかにもって感じですね…」

部屋の半分を埋めるほどの
頑丈な巨大金庫だ。