SP警護と強気な華【完】

話の最中だったため痛みで中断。
思わず頭を押さえてしまった。

「お嬢さん?
 どうかしたのか?」

最初、何が起きたのかわからなかったが
苦痛に耐えているようなカトレアが視界に入り
柊は隣を気にしながらも運転を続け
途中で停車するワケにもいかず
コンビニの駐車場に立ち寄った。

「…ッ」

「おい、大丈夫か?
 頭が痛むのか?」

ズキズキと痛む頭に顔を歪めるカトレアを
心配そうに声を掛ける柊だが彼女は頷くしか出来ない。

「少し横になれ。
 シート、倒すぞ」

自分とカトレアのシートベルトを外すと
助手席の背もたれをゆっくり倒した。

「水、買ってくるから
 少しだけ待っていろな?」

そう言って車から出て行く柊。

その(かん)
カトレアはエレベーター内で思い出した記憶が
再び、今度はもう少し鮮明にフラッシュバックしていた。

(場所はわからない…
 でもアレはたぶん…“箱”だと思う。
 だから音も光もなかったんだ。
 幼い頃、私はそこに閉じ込められた。
 それも今日みたいに…誰かの手で…)




いったい誰に…?ーーー