えッーーー
何が起きたのか
彼の行動に驚いてしまう。
「ごめん…お嬢さん。
俺がいながら、護ってやれんかった。
怖い思いをさせちまったな」
更に強く抱きしめるその腕は
少しだけ震えていた。
自身を責めて後悔しているのは
カトレアにも伝わってきて切ない気持ちになる。
「柊さん、私は大丈夫です。
助けに来てくれてありがとうございます」
彼の背中に手をまわし優しく囁くように答えると
その言葉にホッとしたように柊の震えは治まり
ゆっくりと体が離れていく。
「お嬢さん…」
何かを言いたげに強張った表情で見つめる柊に
カトレアの心臓はドクン…と緊張してしまう。
こんな空気にしてしまった事で
我に返った柊。
「車を近くに停めてある。
この男達が起きる前にココから離れるぞ」
現状を思い出し
またいつもの彼に戻った。
「はい」
走る柊のあとを見失わないように続き
無事、車に乗り込む事に成功。
(あの人…どうなったんだろう)
助手席のサイドミラーで後ろを見ながら
シオンの安否を気にしていたーーー



