SP警護と強気な華【完】

モニターが起動し
エレベーターも作動。

「動いてる…?」

庫内の光で
カトレアは我に返ってきたのか落ち着き始めていく。

「落ち着いた?」

「私…いったい…」

シオンの声に応えられるくらい正気が戻り
頭の痛みはまだあるものの
震えも息苦しさも治まっている。

「どうしたかって、こっちが聞きたいよ。
 驚かさないでくれるかな。
 いきなり苦しみ出して
 何があったんだよ」

「それは…」
(正直、私にもよくわからない…
 夢?あれは誰?もしかして…私?
 どこか狭い場所に閉じ込められていたの?)

恐怖で怯えながら思い出した記憶の糸を手繰(たぐ)るが
明確にハッキリとは見えず
ズキンとまた頭が重たくなる。

そんなカトレアを神妙な面持ちで見つめていたシオンが口を開く。

「記憶を思い出し掛けているんでしょ。
 このままだとお前
 すぐに《《あの人》》に殺される」

「どういう…」

「そうなる前に
 お前をここから逃がす」

「え…ーーー」

ちょうどエレベーターが
目的の場所に到着する音がし扉が開いた。