SP警護と強気な華【完】


選択肢は確かに2つあるが
これはあくまでシオンが出るための案であり
結局の所どちらも共通して
”カトレアが死ぬ”というのは変わらない。

「私は生きてここを出ます!」

「話、聞いていたよな。
 この状況でまだそんな強がりが言える?
 生きて出るなんて無理な事くらいわかるだろ。
 そんな保障なんて微塵もないんだから」

図星を突かれてしまい
何も言い返せなくなってしまった。

密室で2人。
いつ殺されてもおかしくない死と隣り合わせの現状で、どうするかの判断を下すのは
この男次第。

考えてしまうと恐怖は増してしまい
表情に出てしまう。

「それにしても。
 まさかこの俺に脅しをかけるとはなー
 そんなに俺が裏切るのが怖いのか」

文句を言いながら
カトレアと反対側のコンクリートの床に
足を組んで座るシオン。

「私をここに連れてきた事…
 どうして仲間に話さなかったんですか?」

「…お前と会う事を禁止されているから」

「禁止…?」

「お前が思い出す事を
 恐れているんだ」

彼の一言が新たな衝撃だーーー