聞きたい事がたくさんある。
それをもう一度会って明らかにしたいからだ。

「黒幕かもしれねーだろうが!
 死ぬリスクが高い事はわかってんのか!?」

柊は激怒。
しかしその感情の中に焦りや不安が入り混じっているようにも見える。

「うん。
 むしろ黒幕なら話が早い」

しかし強情な上に
冷静で腹が据わって答えるカトレアの目に
押されてしまった。

「お嬢さん…
 どうしてそこまでするんだ?」

あの男と同じような質問をする彼に
カトレアは小さく答える。

「わからない…
 だけど、わからないからわかりたい」

曖昧すぎて納得出来る答えではないから
柊は理解に苦しんだ。

「アンタって人は…無茶苦茶だ。
 素直に教えてくれる確証もねーのに。」

「すみません。
 でも前に進むためなので。」

どうにも頑ななカトレアの意思に
柊は、ついに根負け。

「俺はとんでもない女の護衛をしているな…
 潜入捜査の意味がねーよ…まったく」

溜め息交じりに頭を掻いて
彼は続けた。

「死なせねぇよ…アンタだけは」

とーーー