だがそれはあくまで
カトレアの推測でしかなく
柊が素直に応じるはずがない。

「どうしてそう思うんだ。
 何か根拠でもあるのかよ」

「それは…」

“根拠”なんて聞かれてしまうと
更に答えづらくなり言葉に詰まる。

「明確なものはありません。
 けれど、彼は私を殺すつもりはなさそう…
 それどころか、私を殺したがっている人物が他にいるから気をつけろって忠告してくれました」

そう話した時
柊の顔つきが厳しいものへと変わった。

「アンタまさか
 そいつの言葉を信じてんじゃねーだろうな」

睨むような眼差しから
それは明らかに怒っているように見て取れる。

「そういうワケじゃありません!」

カトレアもバカではない。
護る対象者が敵の味方をしようとしているのだから、柊が怒るのもよくわかっていた。

「お金以外の目的が他にあるのなら
 それが何なのか確かめたい」

「なッ、アンタもしかして
 その男に自分から度接触する気か!?」

「はい。そのつもりです」

それでもカトレアは真剣だった。