SP警護と強気な華【完】


男の言葉にモヤっとした気持ちが残り
それに加えて柊が講師として大学にいた理由もわからず終い。

どちらも後味が悪い結果のまま
カトレアは(冬休みに)片付けた自分の家へと帰宅。

「柊さん、あれから結局会わなかったな…」

独り言を声にしながら帰り際に買ってきた食材を袋から取り出すと
キッチンのテーブルに置いていく。

ついでに鞄からスマホも出して
何も通知が来ていない待ち受け画面を見つめ
またボソリと呟く。

「今日の柊さん(あの人)
 まるで赤の他人だったしな…」

連絡をしようかなと頭の片隅に浮かんだのだが
彼の態度を思い出してそれを止めてしまった。

そんなカトレアの気持ちを察したか否か
タイミング良く着信が入る。

画面に映し出された発信元は
【柊さん】

「…はい」

出ようか初めは悩んだが
『もしも急用ならいけないか…』と自分に言い聞かせながら
渋々通話ボタンを押して低い声で返事をすると。

『お嬢さん、家に着いたのなら
 今すぐ玄関を開けろ』

開口一番
自己中発言が飛び出した。