あまりに唐突に告白とも取れる言葉。
そして男の目は、まっすぐとカトレアに向けられている。
「どう…いう…」
意表を突かれ愕然とするカトレアは
上手く声を発せられず固まってしまった。
「詳しい事は言えない。
いろいろと面倒な事になるんでね。
でも安心しな。
俺はお前を殺さないから」
立ちすくむ彼女に
男は続けて言う。
「忠告だけしてやる。
もっと他に殺したがっている人間もいるから
気を付けて」
『話は以上』と
勝手にあっさりと話を終わらせた男は
何事もなかったようにその場から去って行ってしまった。
残されたカトレアは
まるで金縛りから解かれたように声が出るように。
「なんだったの?あの人は…」
嵐のような一瞬に思えた彼の存在が
謎を謎を呼ぶ。
開ける鍵の意味はわからず
10憶と鍵の在り処を聞いた質問には
結局答えてはいない。
そして1番には
彼が何者かわからないのに
なぜカトレアに興味を抱き捜していたのか。
更に、あの意味深なセリフの意味。
あの男は
敵か、味方なのか――――



