SP警護と強気な華【完】


写真を手にし堅い表情したカトレアの一言に
その意味の重要性を瞬時に感じ取った柊。

「さっき言ってた子供の頃の記憶か?」

「はい。これを見ていたら
 何か…とんでもなく大事な事を
 思い出さないといけない気がして…」

「…そうか。
 まぁ、少しずつ思い出していけばいい」

『とにかく戻るぞ』と
強制的にホテルへとリターン。

「しっかり体を休めろ。
 もし何かあったらすぐに呼べ」

「う、うん…」

部屋のドアの前に到着し
忠告する柊の言葉に返事をするも
カトレアは一生懸命思い出そうとしているのか
終始、険しい表情をしている。

「はぁ…。ったく…」

そんな彼女を見兼ねた柊は
腕を組んで溜め息を1つ零す。

「このままだとお嬢さん
 根詰めてまた眠らなそうだな」

「…?」

「1人で抱えていても余計思い悩むだけだ。
 言葉にして吐き出せば少しは違うぞ。
 話聞くから言ってみろ」

「柊さん…」

彼なりの優しさと思いやりに
カトレアの強張った表情は少し和らぎ
『お願いします』と柊を部屋の中に入れた。