SP警護と強気な華【完】


案内したカトレアだが
その部屋を見るなり驚いてしまった。

「なんで…こんな…」

普段は本棚に囲まれた書斎となっているが
その本が所々落ちていて
他の部屋よりも荒らされ方が酷く
むしろここを重点的に狙っていたのが明らかだなのだ。

「やっぱりか…
 この部屋に何かしらの手掛かりがあるのは間違いないだろ。
 俺達も手分けして探すぞ」

散らかる祖父の室内へと足を踏み入れる柊に
ついていく形でカトレアも片付けながら探し始める。

とは言っても
手掛かりが何かもわからないのだが。

「ここは手付かずか…。
 さすがに犯人は全部の棚を探す時間はなかったみたいだな」

綺麗に残ったままの棚を見ながら
まるで探偵のように推理をする柊。
(※あくまで探偵小説ではないですが。)

「私…この部屋には、初めて入りました」

「家族なのにか?」

「ここへの入室は禁じられていたから…」

「なるほど。
 余計に怪しいな」

柊は祖父が使っていたデスクを中心に
カトレアは床に散らばる本や書類を片付ける。