SP警護と強気な華【完】

それに
どうしても荒らされた家の事が気になって
居ても立っても居られず、落ち着かないカトレア。

窓に光が差し込み始めた頃
少しだけ部屋のドアを開け
付近の様子を伺いつつ、外出を試みた。


するとーーー


「何やってんだよ」

「わッ!?」

隣の部屋との間の壁際で
簡易的な折り畳み椅子に座り
冷めた目でこちらを見ている柊に気付かれてしまった。

「ずっとここにいたんですか!?」

「アンタにまた何かあっちゃ困るからな。
 まぁ安心しろ。
 こんな事するのは今日だけだ」

気怠そうに立ち上がり
対面する形でカトレアの前に立った柊だが
険しい顔つきへと変わる。

「お嬢さん…眠れって言ったよな」

「…はい。
 ですが家の様子が気になっちゃって…」

「わからんでもねーけど
 あんまり無理はするなよ」

そう言って、まるでベルボーイのように
さりげなくカトレアが手にしてる鞄を持ち
また彼女の前を歩いてエレベーターへと乗り込んだ。

柊と共に自宅へと戻ると
すでに警察官が現場検証を行っていた。