SP警護と強気な華【完】


柊に連れられて向かった宿泊先は
ビジネスホテルや、それこそラブホテルとは断然違い
むしろ旅行で訪れるような立派で豪華なホテル。

「放っておいたらアンタまた勝手に何をするかわかんねーから、今のうちの釘刺しておく。
 死にたくなきゃカーテンも窓も絶対開けるな。
 入り口は俺が見張っているから」

死ぬ気で開けるなと
206号室の部屋の扉の前で忠告を受け
カトレアは大人しく従う事に。

「それと…」

「…何か?」

難しい顔でジッと顔を見つめてくる柊を
不思議に思い首を傾げると。

「…少しでも眠れ。
 そのままだと倒れるぞ」

カトレアの顔に疲れが見えた柊は
それだけ言い残し
部屋の前から立ち去ってしまった。

(また…優しい…) 

ふと来る彼の優しさに
またドクンと鼓動が早まる。

借りたホテルの部屋に入り
シャワーを済ませ落ち着いた頃は
時間は未明。

疲れているはずなのに
柊からも眠れと言われているのに
1日の情報量が多すぎて
頭の中を整理し考え込んでいるうちに
寝付けず朝を迎えてしまったーーー