「死なずに済んだんだ。
喜ぶ事だな」
そう言われてしまうと
言い返す言葉が見つからない。
気を取り直して
もう1つ疑問に思った事を聞いてみる事に。
「彼が昨日のストーカーだっていうのは、いつわかったんですか?」
「今日お嬢さんがあの男と接触した時から怪しいと睨んでいた。
ストーカーの顔までは見てねーから初めは確証がつかめなかったけど
背格好がどうにも似ていたからな。
それにこのタイミングで彼氏がいるのもおかしいだろ。
金が目的に近付いたのが見え見え」
「"彼氏がいるのがおかしい"は余計です。
しかも目的がお金だけって…失礼な。
まるで私は他に良いとこないみたいじゃない…」
「興味がねーな」
ことごとくバッサリ切り捨てられる言い方に
何度か腹ただしくもなるが
助けて貰った以上
文句が言えないのが悔しい。
「お嬢さん、アンタは?
まったく疑わなかったのかよ」
「…はい」
「ったく。おめでたい女だな」
「悪かったですね、おめでたくて」
でもやっぱりイラっとしてしまう。



