SP警護と強気な華【完】


柊の表情からも焦りの色が見え
すぐに彼女の元へと駆け寄ったが
動揺を表に出さず
冷静に口元に手をかざし息をしているか確認した。

「浅いが生きてるか…。
 おい、しっかりしろ」

少し大きめに声を張って呼び起こすと
カトレアは微かに反応。

次の瞬間

「ゴホッ、ゴホッ」

思いきり息を吸って酸素を体に取り込み咳込んだ。

カトレアが戻ってきた事にホッとした柊。

「あっぶねー…
 死んだかと思ったわ」

隣にドサッと座り込み
大きく溜め息を吐き出して項垂れた。

「あれ…?私…」

「よぉ、生きてるか?」

「柊…さん?」

なぜ彼がここにいるのか疑問に思いながら
自分に何が起きてどうなったのか
ほんの少し記憶を辿り
すべてを思い出したカトレア。

「そうだ…ッ痛」

勢いよく体を起こしたが
つい先程まで脳内に酸素が行かず意識を失ってせいか
その反動により激しい頭痛に襲われる。

「堕ちていたんだ。
 そりゃそうなるだろうな。
 少し大人しくしてな」

柊に言われ
気を失っていた事を痛感。