SP警護と強気な華【完】


いきなりすぎるモードチェンジに驚いたのも束の間
ソファから立ち上がった彼は突然
カトレアの両肩を軽く掴むと
覆い被さるように彼女の体を倒していく。

「えッ」

疑いの目を向けていたカトレアにとって
今この状況ではこの男とそういう行為などしたくはない。

「ま、待ってッ」

慌てて起き上がろうとするが
彼は跨るように自分の両足で動きをガード。
両手首は頭の上で掴まれ拘束してきた。

こうなってしまえば
どう考えても男性相手に歯が立つはずがない。

「大丈夫だよ、カトレア。
 僕に身を委ねて…」

安心させるような言葉を言っているが
彼の眼は完全に据わっていた。

「い…嫌…ッ」

”この人は危ない”
直感的にそう感じ
顔を背け、彼の下で全身を使って必死にもがき抵抗する。

「どうして怖がるの?
 僕は君の彼氏なんだよ?」

冷たい眼差しが
なんとも言えない恐怖感を与えてくる。

「そうだカトレア…
 緊張をほぐすために話をしよう」

そして感情のない言葉で
安心感を植え付けようとしてくる。