SP警護と強気な華【完】


「どっちも殺すつもりだったから
 ちょうどいい」

父親は勝ち誇った顔で銃を金庫の上に置き
改めて金が入っている金庫内に手を伸ばし作業を再開。

金も、命も
そして恋も…
全て奪われてしまう。

そう諦め掛けた時だ―――



タタッ…

地下に響く”別”の足音。


何が起きたのかと理解する前に

グサッ…と

肉が切れる音がする。

「な゛ッ」

「さよならは、”父さん”の方だ」

シオンが”父親”を
背中から一突。

「シオン、キミはッ」

抵抗しようとする父親に
シオンは金庫の上にあった拳銃を持ち
至近距離で胸を狙い、躊躇わずに撃つ―――

「「!?」」

意識のあるカトレアと柊は
その光景に言葉を失った。

倒れて動かなくなった父親と
その横で項垂れながら震えるシオン。

「し、シオンさんっ」

カトレアは絞り出すような声で呼ぶと
彼は静かにこちらに振り返り。

「ごめんね、カトレア…」

「えッ…」

シオンは自分のこめかみに銃口を当て
涙を流しながら、引き金を引いた――――