SP警護と強気な華【完】


シオンは何をするかと思いきや
目の前の柊とすれ違うように横を通り
彼に背中を見せる形で”敵”の前に立つ。

「てめぇ、何する気だよ」

シオンの背中に柊が問うと…

「だからアンタとは休戦だって。
 さっさと片付けるよ」

戦闘モードに体勢が変わる。

それを見た柊は少し自分を取り戻し…

「足手まといにだけはなるんじゃねぇぞ」

彼もまたシオンの隣に立ち戦う姿勢を見せる。

「「行くぞ」」

初のタッグで
2人の戦いが始まった――――



その頃、カトレアは――


「…痛ッ」

父親の撃った銃が右肩に命中し
流れる血と痛みに耐えていた。

「安心して。
 金を運ぶ手伝いをしてもらうまでは
 まだ殺さないよ」

ワザと急所を外したのは
抵抗させないようにするため。

しかし華奢なカトレアには
流れ出る血液が多いと死に至る。

「…ハァ、ハァ…ッ」

肩を押さえ
床に座り込むカトレア。

あまり時間がなかった。

「可哀想だけど
 抵抗したキミがいけないんだからね。
 悪く思わないでくれ」

冷たく吐き捨て
父親は金を取り出し始める。