「う、動かないでッ」

震える手で拳銃を構えるが
産まれて始めて持った銃はずっしり重く
《《本物》》を手にしている自分に怖気づいてしまいそうになる。

「カトレア
 僕を撃つのかい?」

金を漁っていた父親は
銃を向けるカトレアに体の方向を変え
悲しそうな表情で問い掛けた。

「…ッ」

彼の言う通り
撃てるはずがなかった。
そんな恐ろしい事
自分の父親に出来るはずがないのだ。

でもそれが
命取りだった―――

「カトレアは優しいコだから
 人を殺すなんて無理だよね…」

「え…」

父親は自分が持っていた《《もう1つの》》の拳銃を取り出すと、カトレアに向けて…

「ごめんね、カトレア」

一言、謝ったかと思った
次の瞬間

バンッ――――


銃声が響き渡った。


鈍い音ではあったが
それは地下だけじゃなく
外にいるシオンや柊の耳にも入るほどの威力。

「まさか…」

シオンは目を見開いて立ちすくみ
柊は…

「カトレアぁぁぁぁぁぁ」

狂乱状態に陥り
敵陣に突進していってしまった。

「どけぇぇぇぇぇ!!」

向かってくる奴らを倒していく。