言伝(ことづて)を預かったシオンは屋敷を出て
その後ろ姿を覚悟の思いで見つめるカトレア。

「お嬢さん…
 まさか死ぬ気じゃねぇだろうな」

沈痛な面持ちで声を掛けると
カトレアは何も答えずニコリと笑顔を向けた。

それが何を意味しているのか
本人にしかわからない。

「お嬢さん…」

だが柊もまた
決心していた。

自分の命に代えても
愛する女を守るとーーーー





数日後

黒幕である父親が
カトレアの元を訪れた。

もちろん罠だと警戒したため
大勢のボディガードを引き連れて。

「渡す気になったんだね、カトレア」

最後の戦いは
始まりを告げるーーーーー