(今度こそ本当に
私は独りになる…)
大人になれば皆、1人になっていき
そうやって成長していく。
そんな当たり前な事でも
カトレアにとっては深い悲しみの中で
孤独感を味わうものになる。
「そんなの…」
何度も堪えていた涙は限界を既に超えていて
スカートへと落ちて行く雫は
止まる事を知らない。
言葉として思いが伝えられないカトレアを、柊は優しい眼差しで見つめ
穏やかに声を掛けた。
「俺で良ければ、アンタの家族になる」
と。
「え…」
「まぁ…どうしても嫌だって言ったら話は別だけどな。
けど。”警護が不要”って理由だけなら
俺個人の勝手な我が儘で
アンタの傍にいさせてもらう」
「柊さん、何を…」
「俺にとってお嬢さんは
大事な女だから。
もう独りにはさせたくねぇんだよ」
柊はまっすぐに思いを伝えた。
「好きだ、カトレア」
揺るぎない愛情を―――
「柊さん…?」
カトレアが驚いたのは言うまでもない。
今日は突然の告白を受けてばかりで
何が何やら頭がついていけない。



