SP警護と強気な華【完】



だからこそ
彼女の言葉が”縁の終わり”を告げているのを感じとる――

「…残念だな。
 アンタにとって俺はもう用済みってワケか」

「そんなッ」

「離れたかったんだな。
 我慢をさせていたのか、俺は。」

「ち、違う!
 我慢なんて思った事ないッ
 離れたくなんてッ」

『ない』と言い掛けて
ハッと言葉を呑み込んだ。

「それが本音か?」

まるで誘導尋問。
ニヤっと悪戯っぽく笑う柊の
まんまと企みに乗せられた形となった。

「柊さんって、ずるい」

やられたなと溜め息を漏らす彼女と裏腹に
柊はまた少し真剣さを取り戻し。

「俺はアンタの素直な気持ちが聞きたい」

そう言った。

「素直…」

「俺のためとか別として
 自分自身はどう思っているんだ?」

「私…」

「アンタが不要とするなら警護を辞める。
 俺の任務は終わりだ」

”終わり”
その一言にカトレアは気持ちがブレる。

家族を失って独りになり
たった1人の身内である父親からは裏切られ
更に柊まで離れてしまったとしたら。

そう考えた時
彼女に残るものは―――