SP警護と強気な華【完】


(このままだとお嬢さんもヤバいな)

彼女も心配だが
立ちはだかる男達の強さに
どうするべきかと考えてしまう。

苦戦を強いられている柊を知ってか知らずか、カトレアは…

「柊さん!
 逃げてッッ」

敵を目の前に
彼に向かって叫んでいた。

しかしその声は
攻撃の合図のように―――

「カトレア。
 静かにしようか」

「えッ…」

驚くのも束の間
父親はカトレアの首元にナイフを突きつけ
人質にしたのだ。

「お嬢さんッ!!!」

それを見た柊は
必死になったのか強行突破を試みるが
男2人に押さえられ餌食となってしまい
そのとき初めて
カトレアの父親と目を合わせた。

「アンタが…」

愕然としたのは柊。

まるで何かを知っていたかのように
目を見開いて硬直している。

「あれ?確か、柊ナツメくんだよね?
 あー…そっか。キミがカトレアのSPだったんだ」

父親は目を細め
笑みを浮かべている。

”思い掛けない再会”のような状況に
カトレアが1番困惑していた。

(なに?
 この2人って顔見知りなの…?)