SP警護と強気な華【完】


そんな喧嘩を売られたからだろうか。

カチンと来た男2人は
一斉同時に柊に襲い掛かった。

「動きが遅い。
 そんな巨体だけの単細胞に負けるかよ」

ただの暴言を吐き
軽やかに、すばやく避け
また風のような速さでまずは1人目に拳を突き刺した。

しかし今回の男達には
まったくと言っていいほど歯が立たない。

「なッ!?」

片手で簡単にグッと強く拳を掴まれ
抵抗するもビクとしもない上に
間髪入れずに2人目の男が殴りかかってくる。

「クソッ」

寸前でギリギリ交わす事は出来たが
それが精一杯。

「がはッ」

気を取られていたせいで
拳を掴んでいた男に
思い切り横腹を蹴られてしまい地面に倒れてしまった。

「いってぇなぁ…」

腹部を押さえ立ち上がろうとする柊だが
正直少し困っていた。

(1人だけでもこの威力か。
 デカいだけあるな。
 2人とは言え、力技は格上だ。
 圧倒的にコイツらの方が強い。
 それに…)

カトレアの方に視線を移すと
父親に迫られ青ざめて立ちすくんで震えている。