私しか、知らないで…


玄関に北翔がいた



「よぉ!
オマエ最近、理科準備室よく行ってない?」



「あ、うん
魚にエサをあげなきゃなの」



「魚?なにそれ?
今度オレも行ってみたい」



「ダメ!それは、ダメ!」



先生とふたりの時間を邪魔されたくなかった



え、そーなんだ




先生とふたりになりたいんだ



「なんか、オマエ甘い匂いする」



北翔が私をクンクン嗅いだ



「ちょ…ちょっと、やめてよ!」



汗臭かったり
変な臭いしてたら嫌じゃん



「なんか食べた?」



北翔が私をじっと見た


ち、近いって!



息できない



「あ、チョコついてる」



北翔が私の口の横を触った



「ほら…」



北翔の指にチョコがついた



「あ、ごめん」



「オレにもちょーだい」



「え、ない…」



「なんだ…食べたくなった」



北翔は自分の指についたチョコを舐めた



ちょ、ちょっと…


なんか恥ずかしいよ