「失礼します」
「ありがと」
先生にお弁当を差し出された
中身そのままだったりして…
「はい…」
あ、軽い
食べてくれたのかな?
それとも捨てた?
なんとなくゴミ箱を見た
「うまかったよ」
ホントに?
「迷惑でしたよね
私、知らなくて…」
先生が人が作ったものダメって
「え、知ってたじゃん
オレが甘い玉子焼き食べれないって」
「え…ホントに食べてくれたんですか?」
「え、ホントに食べたらダメだった?」
「だって、人が作ったもの食べれないって…」
「あぁ…アイツらには、そぉ言ったの
うるさいから…」
ふーん…
「好き嫌い多いって言ってたけど
食べれない物、教えてください」
「それは教えない
ありすぎて花澤に気使わせるから
自分では食べない物も
人が作ってくれたら意外と食べれるよ」
きっと今日のお弁当の中にも
嫌いな物が入ってたんだろーな…
でも
また作ってもいいってことかな…
「あ、エサあげてよ
みんな待ってるから…」
「はい」
パラパラって水槽にエサを入れたら
みんな集まってきた
「わぁ…食べてる食べてる
…
キラキラしてて、綺麗…」
なんか癒やされる
背中に気配を感じたと思ったら
先生だった
ドキン…
「熱帯魚がカラフルなのは
敵から身を守るためなんだ」
「えー、そぉなんだ
逆に目立ちそうなのに…」
「こんな色してたら
食べたら不味そうじゃない?」
「あー、確かに!」
「それからサンゴ礁の中では
このきらびやかな模様の方が目立たないんだ」
「へー…」
先生の体温を背中に感じる
先生の顔がすぐ上にある
ドキドキ…
ドキドキ…
動けない
「先生、また来てもいい?」
「うん
花澤が来ないと
コイツら餓死するだろ
餓死する前に共食いするんだけどね」
「へー…綺麗なのに残酷なんだ」
「まぁ、一週間あげなくても
問題ないんだけどね」
そしたら毎日来れないな…
その言葉は聞こえなかったことにした
「気が向いたら
またオレにもエサちょうだい
まぁオレもサプリがあるから問題ないけどね
…
今日のご褒美
何がいい?」
先生が引き出しを開けた
「今日はオレにもエサ与えてくれたから
2個あげる」
「ありがとうございます」
私はお菓子を2個選んで
先生の隣でゆっくり食べた
先生の隣
なんか落ち着く



