私しか、知らないで…


ブー…ブー…ブー…



「わあ!!!ビックリしたー」



「ママー、お兄ちゃんの部屋
オバケいそう!」



「もぉ、ほっておきなさい!
寝る時間でしょ
早く寝なさい!」



ブー…ブー…ブー…



花澤だった



そーだ

電話するって言われてた



「ハイ…」



冷静を保って出た



「北翔?」



「うん…」



花澤の声を聞いたらドキドキした



ヤバイ…

耳元でこの声



ドキドキ…



「北翔、何時に寝る?」



「ん?
ベッドだけど、まだ寝ないよ」



寝ようとしてたけど

たぶん寝れない



「私もベッドにいるけど
ドキドキしてる」



そんなこと言われたら…



ドキドキ…

ドキドキ…



オレももっとドキドキする



「オレ、寝れないかも」



「なんで?」



言わせるな!



「花澤と付き合ったから…」



「ん?心配?」



「いや…」



そんなわけないじゃん!



「あ、遠足の前の日みたいな?
明日が楽しみで寝れないとか?」



ガキじゃん!



「まぁ、そんなカンジ

花澤は?
眠くない?」



「うん…
でも北翔の声聞いてると眠くなる
なんか安心する」



寝るなよ!



「花澤、なんか喋って…」



「ん?なんか?」



「うん、なんでもいい
花澤の声、聞きたいから…」



なに言ってんだろ

オレ



「えっと、じゃあ…
そんなこと言われると喋りにくくなるよ」



「あ、ごめん…」



花澤といつも何話してたかな?



新しくできたラーメン屋の話

前田の話

昨日見たお笑い番組の話



ぜんぜんときめかない



「北翔…好きだよ」



「…」



なに?急に



「北翔?…寝た?」



「寝てない」



「なんだ…急に静かになったから…」



急に花澤が言ったからだろ



別に、いいけど…



「北翔」



「ん?」



「今、耳真っ赤でしょ!」



「そんなん知らねーよ!
自分で見えないし…」



からかうな!



「北翔、かわいい…」



「かわいいとか言うな…
あんま、言われたくない」



花澤の方がかわいいよ

とも言えないけど…



「なんで?いいじゃん!
かわいいなんて
私、言われたことないもん!」



オレ言ったことあるけど

聞き流してた?

聞こえなかった?



「藤森のこと、かわいいって思ったことある?」



「ん?先生?

ない…
だって年上だし…
あ、でもね…
生き物好きなのに
ゴキブリだけ苦手なんだって!
かわいいよね」



質問して後悔した



花澤しか知らない藤森



きっと藤森も

オレの知らない花澤を知ってる



「北翔?…北翔?
アレ?また寝ちゃったかな?」



「寝てないよ」



「なんだ…よかった

よくないか…

北翔、おこってる?」



「別に…」



「ごめん…
もぉ先生の話、しないね」



「別にいいよ
オレが聞いたんだし…」



「うん…

北翔…」



「なに?」



「かわいい北翔もかっこいい北翔も
全部好きだよ」



バクバク…



ヤバ…



バクバク…



心臓壊れそう



バクバク…



聞いたことない音する



「花澤、オレも好きだよ」







え…



「花澤…?」



オレ心臓動いてるよね?



「花澤ー?」



死んでないよね?オレ



「花澤!」



花澤死んでないよね?



アレが最後の言葉とか?

やめてよ



もしかして

ホントに寝た?



寝たな、アイツ



「花澤、おやすみ

かわいいよ♡」



ー終了ー



本日は終了しました