私しか、知らないで…


車を出したあと
少し心配でフロントミラーで紫苑を見た



歩いてたけど

やっぱり

泣いてる?



車を左に寄せて

紫苑が追いつくのを待った



オレの車が停まったのに気付いて

紫苑が涙を拭いたのが見えた



紫苑がオレの車に並んで

ガラス越しにオレを覗いた



「大丈夫?」



窓を開けて聞いた



「うん…

酔ってないし…

歩けるし…

なのに…

なのに…大丈夫じゃないかも…

亜南…部屋まで送ってよ」



そう言われて

また紫苑を車に乗せて

近くのパーキングに車を停めた