オレにしか、触らせるな!


「棒くん…あの…」



「傑とは、会ってるの?」



「え…?傑くん?」



「うん…」



ずっと忘れてた

傑くんのこと



あれからずっと会ってない

考えることもなかった



「カラオケの帰り
仲良さそうだったから…」



あ…

私、抱きしめられた



「あれは傑くんがふざけて…」



「ホントに、ふざけてたのかな?」



「…ん?」



「ん?
わかんないなら、いいや…」



なに、が…?



「今日、ホントはバイト休みなんだ
一緒にバスで帰らない?」



「え、ホントに…?
休みなの?」



「うん…
ごめん…さっき嘘ついた」



「じゃあ!嫌いにならないって言ったのは?
それは、ホント?…嘘?」



「ホント」



棒くんが私の目を見てくれた



「じゃあ!一緒に帰るのは?
ホント?…嘘?」



「それも、ホント…
永野さん、嫌だったら、いいけど…」



メガネ越しの棒くんの目は

ずっと私を見てて

優しかった



ドキン…



「嫌じゃ、ないよ」



また鳴った

変な音