「棒くん!」
帰り道
人がいないのを見計らって話し掛けた
「…」
やっぱり
無視か…
「棒くん、あのね…」
「ごめん、今日、バイトなんだ」
棒くんの歩く速さに必死に追い付いた
「じゃあ、行く!」
「傑と?」
「ひとりで!」
「なんで?」
「棒くん…
…
棒くんの嫌なことして
ホントにごめんね
…
私が悪いのはわかってるけど
棒くんに無視されたり
棒くんに避けられたりするの
辛い…
…
棒くんに
嫌われたくない」
「…」
ズキン…
きっと
こーゆーところがダメなんだよね
「ごめん…棒くん
…
もぉ、近寄らない」
棒くんに追い付くのを諦めたら
どんどん棒くんと
距離が離れた
最初から
この距離だった
近付くこともなかったら
離れることもなかったのに…
どんどん棒くんが
小さく見えてく
せっかく
少し気持ちが近い人なのかな?って
わかったのに…
何もわかってなかった
友達になりたいなんて調子にのってた
仲良くならなくてもいい
だから
だから
避けないでほしい
嫌わないでほしい



