オレにしか、触らせるな!


「ね、瑠愛ちゃん聞いてる?」



「ん?」



「だから、オレと颯の間には
友情しかないから

心配しなくていいよ
瑠愛ちゃんが考えてるような
愛情は、絶対ない!」



「そーなんだ…」



「だから瑠愛ちゃん…」



「ん?」



「オレのこと、好きになってよ」



「え?

いいの…?」



「え…
なってくれるの?」



「うん…

私は、いいよ

傑くんのこと、友達と思っていいの?

棒くんとも、友達になりたいな…
無理かな?」



「もぉ…なんなの?瑠愛ちゃん」



「え?」



「あー…いいや!
そぉ!友達
明日からも友達ね!」



傑くんに頰を抓られた



「痛いよ!もぉ、やめてよ!傑くん!」



「瑠愛ちゃんて
ホントかわいいね」



傑くんが笑いながら抱きついてきた



「やめてよ!傑くん!
ふざけないでよ!」



「瑠愛ちゃん

やっぱ、ヤダな…友達じゃ…」



私も笑いながら

顔を上げたら

傑くんは

もぉ笑ってなかった



「え?」



「瑠愛ちゃん、ドキドキしない?」



「ドキドキ…?」



「オレといてもドキドキしない?」



「うん…しないよ
大丈夫!
傑くんといると、楽しいよ!」



「オレも瑠愛ちゃんといると楽しい

でも、ドキドキするんだ

たから、友達でいれないかも…」



「友達で、いれないの?
楽しいのに…?」



月明かりでアスファルトに映った影

傑くんと私が重なってた



その先に映ったのは

影じゃなくて…