オレにしか、触らせるな!


「颯が女子を怖がるの
オレにも責任があるんだよね」



「え…、どーゆーこと?」



「颯、前に先輩と付き合っててさ…」



「うん、それは少し聞いたよ」



「言い方は悪いかもしれないけど
その人がオレと颯を二股してたんだ」



「二股、とは…?」



「オレと颯
どっちとも付き合ってた
オレと颯はそれを知らないで付き合ってた」



「え、そんなこと、できるの?
私なんて、
ひとりと付き合うのも難しいのに…」



「できる人はできるんだろうね

それから颯
女が信じられなくなって
女子と話したり近寄るのもビクビクしてた

でもアイツってあの容姿でモテちゃうから
モテないように
高校入ってキャラ変えたんだよね

それにしても
あそこまで変えなくても…
最初見た時、ちょっと笑ったけど…」



「笑えないよ…
そんなの、笑えないよ!

だって棒くん
真剣に悩んだと思う

だから、そこまでして…」



「ごめん、ごめん…
オレも真剣に颯に話したよ!
また新しい彼女作ろう!って
そしたらあんな女のこと忘れられるからって」



「傑くんは、そーゆータイプなんだろうけど…」



「うん、颯は違うよ

真っ直ぐで、一途だから…
先輩とも真剣に付き合ってた

遊ばれてたのはオレの方だったと思う」