トントン…
「こぼした?
おしぼり持ってきた」
傑くんがテーブルに飛び散ったクリームを
片付けてくれた
「ありがと、傑くん」
「瑠愛ちゃん、髪にもクリームついてる
拭いてあげる
ちょっと動かないで…」
「うん…」
「はい、キレイになったよ!
ごゆっくり!」
バタン…
「モニター見てるとか、悪趣味」
「傑くんも仕事だから仕方ないよ」
「食べたら帰ろう」
「もぉ帰っちゃうの?
まだ30分しか…」
「まだ歌いたい?」
「んー…
歌いたいってわけじゃないけど…」
棒くん
傑くんと一緒に帰らなくていいのかな?
「傑くんのバイト終わるまでいようよ!
どーせフリータイムだし!」
「そんなに傑に会いたい?」
「え…」
「恋愛興味ないとか言ってさ…」
「え、別に私…」
「…」
気まずい…
ごめん
別に私
傑くんのこと好きとかじゃないから
棒くんの傑くん
取らないよ
「ないよ
恋愛に興味ない
…
やっぱり私
好きな人とか、彼氏とか無理かも…」
「変わらない?」
「うん、変わらない」
「少しも?」
「うん、少しも興味ない」
「そ…」
棒くんは
すごく寂しそうな顔をした
棒くんを安心させようと言った言葉なのに
想像してた顔と違った
なんでそんな
寂しそうな顔するの?
私は
傑くんを
恋愛対象として見てないよ



