オレにしか、触らせるな!


近くの水道で血を流した



「痛…」



西日で長く影が伸びた



ん?



振り返ったら棒くんだった



私とは相変わらず不自然に距離を取ってる



「棒くん
私のこと、嫌いでしょ」



「…」



「嫌いならついて来なくていいのに…
奏くんたち待ってるでしょ」



「…」



「ごめんね…
明日からは、もぉ来ないから…
棒くんの場所は取らないから
安心してね」



棒くんがホントの自分でいれる場所は

きっと

ここしかないんだ



「よし!大丈夫!
お風呂、しみそうだな…」



「…大丈夫なの?」



「うん!ほら!」



洗った傷口を見せた



「オレのこと、大丈夫?
男性恐怖症なんでしょ」



「あ…」



もしかして

棒くんが私から距離を取るのって

それを心配してくれてたのかな?



私のこと考えてくれてた?



「うん、ありがとう
それは…平気だよ!」



そう言ったのに

棒くんはやっぱり私から1歩離れる



「あ、肩汚れてる
洗濯したら、落ちるかな…」



棒くんの肩に少し砂がついてて

はらおうとしたら

棒くんがビクッて少し怯えた



「ん?」



やっぱり嫌われてる?



「…あの…ごめん…」



また目が合わない



もしかして…



「棒くんて…
女の人が苦手?」



「…うん…」



日が暮れ始めて

棒くんの表情は、よく見えなかった



「それなら、
私は女子にカウントしなくて大丈夫だよ!」



「…」



「話すのも、ダメなの?」



「うん…緊張する」



「近付くのも?」



「うん…
できれば、近付かないでほしい」



棒くんがまた小さく見えた



「そっか…
今まで知らなくて、ごめんね」