オレにしか、触らせるな!


棒くんはメガネを外して腕まくりをした



棒くんとバスケするなんて思ってなかった



みんな楽しそう



棒くん笑ってる!



へー…そんなふうに笑うんだ



大きい手

棒くんがボール持つと

ボールが小さく見える



身体も大きくて

棒くんがバッて手を広げると

小学生の小さな身体は隠れちゃう



棒くんがシュートすると

空に届きそうなくらい



彼の存在が大きく見えた



「パス!」



ボールを取ろうとしたら

棒くんの手にぶつかった



棒くんが私からわざとらしいぐらい離れた



「あ、ごめん…棒くん…」



「…」



ちょっと手が触れただけなのに

そんなに嫌だった?



さっきから

棒くんが私を避けてるのがわかる



私がボールを持つと

ついて来ない



なに?



ドン…



「あ!瑠愛ちゃんころんだー!」

「瑠愛ちゃん大丈夫?」

「瑠愛ちゃん怪我してない?」

「あ!血出てる!」

「兄ちゃん!来て!」



膝から少し血が出てた



「大丈夫だよ
ちょっと擦りむいただけ…」



顔を上げたら

棒くんがいた



目が合って

また棒くんが私から離れた



みんなが一瞬驚いた顔をした



私も驚いた



そんな避けなくてもいいじゃん

空気悪くなる



「ごめん、ごめん…
大丈夫だから…
私、そろそろ帰ろうかな」



「瑠愛ちゃん大丈夫?」

「瑠愛ちゃんまた明日来てね!」

「瑠愛ちゃん楽しかった」



「うん
私も楽しかったよ!
いつも仲間に入れてくれて、ありがとう」



でも

もぉ来ないかな



やっぱり私がいると

棒くんが遠慮する



「みんな、バイバイ!」



「瑠愛ちゃんバイバーイ!」

「またねー!」

「楽しかったー!」