日が落ちてきて
「そろそろ、帰るぞ!」
そう言ってメガネを掛けた彼は
やっぱり
棒くんだった
「棒くん」
「え…」
「いつも、ここでバスケしてるの?」
「…見てたの?」
「うん…ごめん
通りかかったら、たまたま…
あ、私の家、すぐそこなの!」
「…」
「兄ちゃんの彼女?」
後ろから来た小学生が棒くんに聞いた
なんとなく棒くんに似てる
「弟くん?」
「奏(かなで)、帰ろ」
また私は無視か…
「ねぇ、今度私も入れてよ!
私も小学校の時にバスケしてたの」
どーせ無視されるから
小学生に直談判した
「兄ちゃん、どーする?」
弟くんが足を止めてくれた
「勝手にすれば?」
棒くんの大きい背中からそう聞こえた
バスケしてる棒くんは
学校の棒くんとは別人で
学校の棒くんは
いつも小さくなってて
存在が薄い
バスケしてる棒くんは
大きくて
キラキラしてた
楽しそうで
凄くバスケ好きなんだな…って
伝わってきた
学校でもバスケやればいいのに…
なのになんで
したくない読書をしてるんだろう
メガネの棒くんは
偽物の棒くんじゃん!



