オレにしか、触らせるな!


「はい…」



「傑くん
明日、大丈夫?」



「あぁ…うん…」



「明日、天気悪いみたいだし
映画とかどぉですか?」



「映画…実は今日行ったんだ」



「そーなんですか、残念…」



「ごめん…」



「彼女さんとですか?」



「や、彼女とかいないけど…」



「でも…
彼女じゃないけど
好きな女性とですか?」



ドキ…



「あー…んー…」



「やっぱり…

私には気がないんだな…ってわかってました
傑くんから電話くれないし…

あ、でも、Tシャツは気に入ってるので
返せません!今日、着てます」



スマホからアスカちゃんの笑い声がした



「うん、いいよ…」



「ないと思うけど…
気になった時は傑くんから連絡くださいね

明日は会わないことにします
Tシャツありがとう」



「ごめん…アスカちゃん」



「ぜんぜん大丈夫です!
あ!電話もらっても
もし私に彼氏できてたら
出れないんで…」



「うん、わかった」



「傑くんも無理に出なくてよかったのに…
好きな人いるなら…

優しいですね、傑くん

あ、今ももしかして
近くにいるんじゃないですか?」



「あー…んー…」



「それは失礼しました!
おじゃましました!
じゃ、切ります!」



通話が切れた



優しいのはアスカちゃんで

オレは優しいわけじゃない



アスカちゃんの優しさは

人を傷付けない



オレは

人を傷付けてる