オレにしか、触らせるな!


なんでも一緒に…って言う渉香を

かわいいと思った



一緒にいたら楽しくて

一緒に作ったら美味しくて

一緒にいたら…



ずっと一緒にいたいって

オレは思うよ



でもオレは

フランス料理なんて作れないし

素敵なお店も知らない



渉香が付き合ってきた元カレの

歴代ワーストワンじゃない?

黒歴史とか思われてそう



「終わったー
傑くんどぉ?」



「んーもぉ少し…」



「あ、私よりキレイになってる!」



「ホント?
渉香の方も貸して…」



「うん、ありがと!」



振り向いたら

すぐ後ろに渉香がいた



近い…



ドクン…



しゃがみこんだまま

一瞬目が合った



ドクン…



お互い何も言わなかった



黙ってスニーカーを洗うオレの横で

渉香は黙ってずっと見てた



ドクン…

ドクン…

ドクン…



もぉ限界



「こんなもんかな?
だいぶ白くなったよね」



「うん…ありがとう…」



渉香の視線になんとなく気付いてた



今、渉香を見たら

たぶん

目が合う



目が合ったら

たぶん

オレ



ドクン…



渉香を見たら

やっぱり

目が合った



ドクン…



「渉香…
オレ、渉香と一緒に…」



「一緒に洗ったから早かったね!
すぐ乾くかな…」



渉香がそらした



「うん…ドライヤーで乾かそっか…
帰らなきゃだもんね

立てる?」



先に立って

渉香に手を伸ばした



「うん…」



オレの濡れた手に渉香が掴まった



渉香…

オレ、渉香と一緒に

いたい…



渉香がそらさなかったら

帰せなかったかも…