「傑くん、ありがとう
映画付き合ってくれて…」
映画を観たら今日の予定が終わった
やっぱり
デートとかじゃなくて
ただ一緒に映画を観に来ただけだった
「オレ、朝から
ポップコーンしか食べてないんだよね」
「そーだね…
何か食べる?」
「渉香、時間大丈夫?」
「うん、私は大丈夫」
「あ、でも無理しなくていいよ」
「無理って?」
「無理って…
無理にオレと一緒にいなくても…」
「じゃあ、帰った方がいいかな?」
渉香また具合悪いのかな?
なんとなく元気がなかった
「もしかして、熱あるんじゃない?
体調悪いなら無理に…」
渉香の額に手をあてた
「…熱い?」
渉香がオレを見上げた
ドキン…
オレの身体が熱くなって
咄嗟に手を離した
「どーかな…わかんない」
「傑くんがひとりで食べたいなら
私、帰るよ」
「そんなことないけど…」
まだ一緒にいたかった
渉香の足元が見えた
「あ、スニーカー洗わなきゃ…」
「え…?」
「スニーカー洗うから、うち来れば?
それで、なんか適当に食べない?」
素直に言えない
いつも一緒にいる理由探してる
「スニーカー洗ってくれるなら
もっと汚しちゃおっかな…」
渉香が悪戯ぽく言った
「性格悪!」
そう言ったオレはかなり嬉しかった
もう少し渉香といれる



