オレにしか、触らせるな!


適当なシャツに適当なジャケットを羽織って

外に出た



昨日からこーなるってわかってたら

ちゃんと準備してたのに…



髪だって昨日のうちに切ってた

伸びた髪に仕方なくワックスを付けてきた



靴コレで合ってる?

慌てて出て来た



渉香はスニーカーにジーンズ

白いシャツにコートを羽織ってた



髪も無造作に束ねてて

オレとだからかな?

気を使ってない感じがした



「雨でスニーカー汚れちゃった」



渉香が歩きながら言った



「ホントだ」



「傑くん、洗ってくれるんだよね?」



「ん?うん、そーだっけ?」



「あー、とぼけてる!」



それぞれの傘で笑いながら歩いた



雨の音がうるさくて

声が大きくなった



こっち入りなよ…って

大学時代の合コン帰りなら言ってたのにな



「ずっと観たかったんだよね

先週行こうと思ってたんだけどね
土曜日、少し熱っぽかったから…」



もしかして金曜の夜

アパートの外で寒い中待ってた?



まさか…



「もぉ大丈夫なの?」



「うん!大丈夫
元気だよ」



元気そうな顔をオレに向けた渉香

かわいいな…って思った



ブランドのバッグなんか持ってなくても

オレは渉香に魅力を感じる



ふたりで映画を観に行く

コレってデートかな?