オレにしか、触らせるな!


「ねぇ…待ってよ…傑くん

ずっと呼んでるのに…

歩くの早いよ…」



「あ、ごめん」



渉香がオレの腕を軽く掴んだ



なんとなく振りほどいた



渉香もなかったように振る舞った



待ってたんじゃないの?

オレ

渉香が来るのを



歩くスピードを渉香に合わせた



期待してたんじゃないの?

オレ

渉香が掴まってくれるのを



もう一度掴まってくれたら…



たぶん

オレ…