オレにしか、触らせるな!


玄関のドアを開けたら

渉香がいた



ビックリしたー!



「どこ行くの?」



「あ、ちょっと…」



「デート?
…の、わけないか…
そんな格好だもんね」



オレが羽織ってたパーカーを見てそう言った



「うん、ちょっと…
散歩?」



今、咄嗟に考えた



ホントは渉香来ないかな…って

ちょっと外を覗こうとした



「散歩?」



「うん、たまにしてんだ…」



渉香が笑った



「傑くん、ヒマだね!
ホントに彼女いないんだね」



「ウルサイ!
そっちこそ、こんなとこ来ないで
合コン行けよ!

あ、しばらく来なかったけど
ずっと合コン行ってた?

今日は、疲れ休み?
それとも報告?
彼氏できました!って…」



「もぉ行かないって、言ったじゃん…」



渉香にしては

元気がなかった



また言い過ぎた?



ホントは

ずっと待ってて

来てくれたことが

嬉しくてたまらないのに…



「で、なに?なんか用だった?」



「私も散歩する
ヒマだから…」