キッチンで渉香の服を脱がしてた
白いノースリーブの下は
もっと白かった
「…い…?」
はだけた渉香に聞いたら
黙って頷いた
締め切られた部屋
クーラーと換気扇の音に混じって
オレと渉香の音が響く
オレの髪から
渉香の身体に落ちる水滴を
掬って舐めた
そーゆーことでしょ
オレに付いて来るって
こーゆーことしたいから
オレの部屋に来たんだろ
帰らないのか聞いたよね?
なんで無視したの?
彼氏がいても合コン行ったり
今までだって
こーゆーことしてたんだろ
なんで?
なんで…
ひとりの人を愛せないの?
目の前の薄化粧で綺麗な髪の渉香が
あの頃の渉香に重なる
あの時は
中学生だったオレたち
でも
オレたちが今してる行為は
大人になったようで
まだ子供なのかも…
あの時と同じ
誰かを傷付けてる
罪悪感からか
渉香の目を一度も見れなかった
キスはしなかった



