いつも混んでるけど
今日は特に混んでるな…
次、降りなきゃ…
降りれるかな?
「次、降りるでしょ…
大丈夫?降りれる?」
え?
また棒くんの声
でも私を見てない
メガネの中の目は外を見てた
「私に、言ってる…?」
「うん…永野(ながの)さんしかいないけど…」
一瞬目が合ったけど
またそらされた
でも
永野さん、て
私の名前を呼んだ
「棒くんは?まだ降りないの?」
「オレは、その次…」
言葉が返ってきた
「そーなんだ
いつもバスなの?」
「うん」
「私はね、雨の日だけバスなの」
「知ってる」
知ってるんだ…
微妙な距離で会話が交わる
目を見てないのに返ってくる言葉
不思議なカンジ
「降りないの?」
「あ!」
話してたら私が降りる停留所を過ぎた



