「翔ちゃんのバカ」

「戻ってくる美緒のがバカ」

「これ以上好きになったら、なんかしんどいんだってば!」

「俺全然しんどくないけど」

「温度差どんだけ!!」

「……吸い寄せられただけだよ」

「はい?」


翔ちゃんは真面目な顔だった。


「花火に夢中になってる顔が、可愛かったから」


それがまさかの、不意討ちキスの理由。


「翔ちゃん……耳赤いね」

「うるせー」


どうしよう。彼氏が可愛すぎてどうしよう。


「……コンビニ、行こ」


手を繋いで、借りてきた猫みたいにうつむいて歩き出す。


「あれ、落ち着いたの?」

「うん、まぁでも、覚悟しといて」

「覚悟って?」

「みんなと合流したら、たぶん女子たちののろけ合戦が始まるから」

「うそだろ……」


うん。全然負ける気が、しない!!




おわり。

次のデートにつづく。かもしれません。
読んでいただきありがとうございました。