「つばきー!おっはよー!」
「萌子、おはよ!」
花火大会の後、萌子からは連絡がなかった。きっと、上条くんと遅くまで一緒にいたんだろうな。
「萌子、昨日どうだった?」
「うん……私、付き合うことにした!」
「そっかぁ〜!!おめでとう!!本当〜に!!」
「つばきのおかげだよ。つばきがいたから、私踏み出せた」
「ううん、本当よかったね、萌子」
これから萌子には、守ってくれる人がいるんだね。
よかったと思う反面、羨ましくなる。
私も、誰かに守ってほしい。
こんなこと、思っちゃだめなのかな。
「おは〜ねみ〜」
「あっ、永斗!おはよう!」
「おっ、永斗じゃ〜ん!あたし彼氏できた!」
「え!?まじで!?誰誰!?」
「祝福して?!まず祝福して?!」
「だから、誰だよ!」
「あははは」
昨日から、永斗のことが頭から離れなかった。永斗を見た瞬間、心臓の奥がきゅっと痛い。
「で、今日からお前は上条と帰るわけ?」
「上条くんは部活だからどうしようかなぁって」
「あ〜あいつ茶道部か」
「あたしは今まで通り、つばきと帰るかな!」
そう言って、萌子は私を抱きしめる。
「お前らも、部活入れば?そしたら帰り、お前は上条。つばきは、とりあえず俺と帰ればいいだろ」
「…つばきは入りたい部活とかある?」
「う〜ん運動は苦手なんだよねぇ」
「あたしも〜」
「入るなら、美術部かな…」
「あ〜!いいね美術部!陶芸もやれるし!今日見に行ってみよっか!」
永斗に言われるがまま、部活に入ることを考えた私たちは、放課後見に行った美術部が気に入り、その場で入部届を提出した。
「美術部ゆるそうだしよかったねぇ〜!」
「うん!これで萌子は、上条くんと帰れるねっ!」
「あっ…でも…なんかごめんね。あたしはつばきとも帰りたいけど」
※我が校ではカップルは必ず一緒に帰るという昔からの掟のようなものが存在する。
「いいのいいの!上条くんと仲良くねっ!」
「ありがとう」
萌子と私は、カフェ、レストラン、カラオケと、夜遅くまで最後の寄り道を存分に楽しんで別れた。
